ITの根幹『組み込み』を考察

生かすキャリアを考える計画性が必要

将来的には転職して違う仕事に従事したり、管理職になって働けるようになったりしようと考えている組み込み系エンジニアには計画性が重要になる。現職で築き上げてきたキャリアをどのようにして生かすかを考えておかなければ転職は思った通りにはできないことが多いからである。
組み込み系は知識の広さという点で優れていると自負することがよくあるが、それはあくまで現職の現場でのことであり、井の中の蛙大海を知らずになっていることが珍しくない。ハードウェアを熟知した上でソフトウェア開発を行っているという立場から、全ての開発工程を理解していると勘違いしてしまうことがよくある。
実際には現場が異なればハードウェアとソフトウェアの関係性に違いがあるため、直接的に現場経験を生かして他の職場で働くことは難しい。その点に留意して自分の武器は何かを考えて転職計画を立てる必要がある。組み込み系エンジニアの基本はソフトウェア開発であり、様々な開発に携わってきた技術面を武器にして転職するという方法があるだろう。
また、同じ業界のハードウェアを扱う企業を狙って転職することにより、ハードウェアに関する知識の豊富さを生かす道も選べなくはない。それによって選べる転職先も絞られてしまうため、自分の将来像をよく考えて何を重視してキャリアを作るかを決めることが重要になる。現職のうちに準備をしておくことによって、組み込みエンジニアのキャリアを生かせる転職の実現に繋がるだろう。