ITの根幹『組み込み』を考察

IT分野の根幹に位置するエンジニア

「ITエンジニア」と言われると、一般的にシステムエンジニアやネットワークエンジニアなどの職種が想起される。これらはIT分野で非常に重要な位置を占める存在であるが、実際にその根幹を担っているのは『組み込み系エンジニア』と呼ばれる人々である。
組み込み系エンジニアの業務内容は、非常に多岐に及ぶ。「枚挙に暇が無い」というのが実状だが、その業務の種類をわかりやすく大別すると、およそ3つに分類することができる。
まずは我々が普段から目にする、小型の電子機器を制御するためのソフトウェアを組み込むもの。実際の制御を行うソフトウェア以外に、電子基盤に動作のための部品を組み込むハードウェア設計に携わる場合もある。
他方、年々高速化していく通信環境に対応してスピード特化型のソフトウェアを組み込むのも、組み込み系エンジニアの業務内容の一部である。通信管理はネットワークエンジニアの仕事であるが、通信環境整備のためのソフトウェアを開発している組み込み系エンジニアはまさにその縁の下を支える存在であると言える。
また、工場の作業用ロボットや発電所の発電機を制御するソフトウェアを開発して運用ベースに乗せるという、社会的に重要な業務も組み込み系エンジニアの仕事の一つである。小型の電子機器から大規模なインフラ設備に至るまで、ソフトウェアを組み込む必要がある以上、そこには必ず組み込み系エンジニアが存在しており、まさにIT分野の根幹に位置する所で業務をこなしているのである。